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国立大学法人群馬大学情報学部・情報学研究科
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教員紹介

地村 弘二教授

地村 弘二
専門分野

認知神経科学、神経情報学

研究概要

ヒトの脳と心の関係を、現代科学の方法で理解することを目指しています。とりわけ、ヒトを特徴づけるような心の機能が、脳にどのように実装されているかを、情報学的・生理学的・心理学的に知りたいと思っています。

研究内容

  • 非侵襲脳機能画像法を用いたヒト脳の高次機能の研究
  • 認知の実行制御を可能にする大脳・小脳の機構の研究
  • 行動経済学に基づく意思決定の神経情報学的研究

研究内容紹介

 「自分は何か」という問いは、人にとって究極の問題の一つだと思います。私は、この問題に現代科学の枠組みで答えるために、ヒトの行動と脳活動を測定し、両者の関係を調べています。私たちの典型的な手法では、心理課題を行っているヒトの脳活動を、機能的磁気共鳴画像法(MRI)を用いて測定しています。機能的MRIは、ヒトの最も大きな臓器の一つである脳の全領域の活動を、傷つけることなく測定できます。この方法を用いれば、ヒト脳のどの領域が、どのような状況で、どのように活動しているのかを調べることができます。そして、ヒトの心の働きを脳の情報処理として理解できる可能性があります。

 「人の脳と心のしくみを解明する」と聞くと、華やかな学問分野を想像するかもしれませんが、私は地道に考え続けることを大切にしています。まず、解こうとしている疑問が、神経科学的、心理学的に重要なのかを検討し、科学の枠組みで解けるのかを判断します。次に、問題を解くには、実験が必要なのか、既存のデータの解析が適切なのかを考えます。実験をするときには、行動課題や手続きの設計・準備を入念にします。データを収集するときには、忍耐と体力が必要なことがあります。そして、解析では、根底にある数理的枠組みを理解し、適切な統計手続きを選択することが極めて重要です。さらに、大量の脳画像データを現実的な時間で解析するために、計算手続きを最適化し、コンピュータの性能を最大限引き出すことも必要になります。以上のことを適切なバランスで実践することに注力しています。

 この分野では、情報学・統計学・計算科学が大きな役割を果たしています。それでもこの分野がとりわけ魅力的だと思うのは、古代ギリシア時代から先人たちが不思議に思っていた「自分は何か」という素朴な疑問を、現代科学の方法で実証的に解いていくことです。今まで誰も見たことがない現象を目にしたときの驚きと興奮は例えようがありません。しかし「自分は何か」をわかったような気になるのはその一瞬だけで、次の瞬間には新たな想像力をかきたてられ、また次の疑問が生まれます。そして、疑問を問い直し、考え続け、実証を積み重ねていくことにより、自分に対する科学的理解を深めていくことができるのだと思っています。

<略歴>

東京工業大学工学部卒業。東京大学大学院医学系研究科医学博士課程修了。博士(医学)。同大助教、ワシントン大学(セントルイス)心理学部博士研究員、テキサス大学オースチン校イメージング研究センター博士研究員、慶應義塾大学理工学部准教授、等を経て2022年9月より群馬大学情報学部教授。

■ 研究室ホームページ:https://ja.jimuralab.org/
■ 研究の概要:https://ja.jimuralab.org/research
■ 発表論文:https://ja.jimuralab.org/publications


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