本文へジャンプ メインメニューへジャンプ
国立大学法人群馬大学情報学部・情報学研究科
ここからメインメニューです
ここでメインメニュー終了です
ここから本文です

教員紹介

齋藤 翔太准教授

齋藤 翔太
専門分野

情報理論とその機械学習などへの応用

経歴

出身地は、宮城県仙台市泉区です。地元の有名人は、フィギュアスケートの羽生結弦選手です。
2009年に早稲田大学 基幹理工学部に入学しました。入学直後は、「中学校か高校の数学の先生になろうかな」と考えていました。しかし、その後、さまざまな経緯を経て、情報理論の面白さにハマってしまい、研究者になることを決意しました。人生、何が起こるかわからないですね。2018年3月に早稲田大学大学院 基幹理工学研究科 数学応用数理専攻 博士後期課程を修了し、博士(工学)を取得しました。
 2018年4月から2021年3月まで、早稲田大学 基幹理工学部 応用数理学科の講師を務め、2021年4月から群馬大学 情報学部の准教授として研究と教育に従事しています。

研究概要

 ディジタルデータの圧縮や通信に関する数学的な理論である情報理論を研究している。また、情報理論は情報を扱う科学の基礎理論としても重要であり、情報理論を機械学習などへ応用する研究を行っている。

研究テーマ

  • ディジタルデータの圧縮や通信に関する数学的な理論限界の解明
  • 乱数生成や情報セキュリティに対する情報理論的研究
  • 機械学習への情報理論の応用

代表的な研究業績

https://researchmap.jp/wa-shota

専攻分野・研究内容紹介

データを一意に復元できるという条件のもとで、データをどこまで圧縮できるでしょうか?誤ったメッセージが伝わる確率を任意に小さくしたもとで、どこまで効率よくデータを伝送できるでしょうか?これらの問題に、情報理論は数学的な答えを与えます。

情報理論では、データがもつ情報の量やデータの変換を、数理モデル化します。次に、この数理モデル上で、データの変換に関する数学的な理論限界を求めます。さらに、その理論限界を達成する最適な変換法を論じます。

シンプルで美しい数学の理論が、情報理論の大きな魅力だと、私は思っています。

なぜ、理論限界を求めることが重要なのでしょうか?例えば、どんなに頑張っても、ここまでしかデータを圧縮できない、という理論的な限界がわかっているとしましょう。すると、この理論限界は、現在のデータ圧縮技術がどのくらい優れているかを測る指標になります。もしも、このような理論限界がわかっていなかったとすると、「圧縮率が他と比べて勝った、負けた」という議論になってしまいます。たしかに、このような他の研究との競争を通して、技術の改良を積み重ねていくことは重要かもしれません。しかし、このアプローチだけでは、いったいどこまで競争を続ければよいか判然としません。本来ならば、もはや技術の改善の余地がないにもかかわらず、既存の技術を改良しようとして、多くの研究者の時間と労力、そして資源が無駄になってしまうかもしれません。

なぜ、データの変換に関する数学的な理論を考えることが重要なのでしょうか?例えば、データ損失を防ぐのであれば、装置の精度の向上をすればよいと思うかもしれません。たしかに、装置の精度を向上させることは、ひとつの方法ですが、これには多くの時間と労力、そして技術力が必要となります。数学的な理論を適用するほうが、低コストで済みます。

このように、情報理論の研究の進歩により、多くのエネルギーや資源の無駄を減らせる可能性があります。現代社会では、エネルギーや資源の無駄を減らし、環境への負担の少ない持続可能な社会の実現が喫緊の課題となっています。情報理論は、持続可能な社会の実現の一助となり得る学問です。

さらに、情報理論は、機械学習、乱数生成、情報セキュリティなどの情報を扱う科学の基礎理論としても重要な役割を果たしています。情報理論的なアプローチを用いて、これらの問題にも取り組んでいます。


ここで本文終了です
ここからフッターです
ページの終了です