齋藤 翔太Shota Saito准教授
専門分野
情報理論とその応用(AI・機械学習、プライバシー保護)
経歴
出身地: 宮城県
最終学歴/学位: 早稲田大学 基幹理工学研究科 数学応用数理専攻 博士後期課程修了/博士(工学)
職歴: 2018年4月から2021年3月まで早稲田大学 基幹理工学部 応用数理学科 講師、2021年4月から群馬大学 情報学部 情報学科 准教授
所属学会: 電子情報通信学会、IEEE(米国電気電子学会)
研究概要
ディジタルデータの圧縮や通信に関する数学的な理論である情報理論を研究している。また、情報理論は情報を扱う科学の基礎理論としても重要であり、情報理論をAI・機械学習やプライバシー保護などへ応用する研究を行っている。
研究テーマ
- 情報理論(ディジタルデータの圧縮や通信に関する数学理論)
- AI・機械学習への情報理論の応用
- プライバシー保護への情報理論の応用
代表的な研究業績
齋藤研究室webページ:https://saito-lab.labby.jp/
専攻分野・研究内容紹介
データを一度圧縮し、それを忠実に復元できるという条件のもとで、データをどこまで圧縮できるでしょうか?誤ったメッセージが伝わる確率を任意に小さくしたもとで、どこまで効率よくデータを伝送できるでしょうか?これらの問題に、情報理論は数学的な答えを与えます。
情報理論では、データがもつ情報の量やデータの変換を数理モデル化します。次に、この数理モデル上で、データの変換に関する数学的な理論限界を求めます。さらに、その理論限界を達成する最適な変換法を論じます。
シンプルで美しい数学の理論が、情報理論の大きな魅力だと、私は思っています。
なぜ、理論限界を求めることが重要なのでしょうか?たとえば、どんなに頑張っても、ここまでしかデータを圧縮できない、という理論的な限界がわかっているとしましょう。すると、この理論限界は、現在のデータ圧縮技術がどのくらい優れているかを測る指標になります。もしも、このような理論限界がわかっていなかったとすると、「圧縮率が他と比べて勝った、負けた」という議論になってしまいます。たしかに、このような他の研究との競争を通して、技術の改良を積み重ねていくことは重要かもしれません。しかし、このアプローチだけでは、いったいどこまで競争を続ければよいか判然としません。本来ならば、もはや技術の改善の余地がないにもかかわらず、既存の技術を改良しようとして、多くの研究者の時間と労力、そして資源が無駄になってしまうかもしれません。
なぜ、データの変換に関する数学的な理論を考えることが重要なのでしょうか?たとえば、データ損失を防ぐのであれば、装置の精度を向上させればよいと思うかもしれません。たしかに、装置の精度を向上させることは、ひとつの方法ですが、これには多くの時間と労力、そして技術力が必要となります。数学的な理論を適用するほうが、低コストで済みます。
このように、情報理論の研究の進歩により、多くのエネルギーや資源の無駄を減らせる可能性があります。現代社会では、エネルギーや資源の無駄を減らし、環境への負担の少ない持続可能な社会の実現が喫緊の課題となっています。情報理論は、持続可能な社会の実現の一助となり得る学問です。
さらに、情報理論は、AI・機械学習やプライバシー保護などの情報を扱う科学の基礎理論としても重要な役割を果たしています。情報理論的なアプローチを用いて、これらの問題にも取り組んでいます。