本文へジャンプ メインメニューへジャンプ
国立大学法人群馬大学情報学部・情報学研究科
ここからメインメニューです
ここでメインメニュー終了です
ここから本文です

教員紹介

大塚 岳准教授

大塚 岳
専門分野

非線形解析学, 応用数学

経歴

・出身地:東京都
・最終学歴/学位:北海道大学大学院理学研究科 数学専攻博士課程後期 修了/博士(理学)
・研究室:1号館GA303
・所属学会:日本数学会,日本結晶成長学会,日本応用数理学会
・専門分野:非線形偏微分方程式,幾何学的発展方程式,等高線法,フェーズフィールド法,数値解析
・担当科目: 微分積分学1,微分積分学2,学びのリテラシー2,関数解析学特論1(大学院理工学府)

■ 個人ページ:https://ohtsuka.sci.st.gunma-u.ac.jp

研究概要

結晶で見られるような多面体構造や,界面が成長することで生じる界面の衝突・融合・生成・消滅などを含めて,モノの形を変化する様子を未知関数の方程式として数学的に捉え解析する研究と,その応用を行っている。

研究テーマ

  • 特異性を含む界面の時間発展現象に対する数学・数値解析
  • 非線形偏微分方程式に対する弱解理論の研究
  • 特異拡散方程式に対する最適制御問題

代表的な研究業績

[1] T. Ohtsuka, Y.-H. R. Tsai, and Y. Giga, Growth rate of crystal surfaces with several dislocation centers, Crystal Growth & Design, 18(2018), no. 3, 1917–1929.

[2] T. Ohtsuka, Y.-H. R. Tsai and Y. Giga, A level set approach reflecting sheet structure with single auxiliary function for evolving spirals on crystal surfaces, Journal of Scientific Computing, 62(2015), no. 3, 831–874.

[3] S. Goto, M. Nakagawa and T. Ohtsuka, Uniqueness and existence of generalized motion for spiral crystal growth, Indiana University Mathematics Journal, 57(2008), no. 5, 2571–2599.

専攻分野・研究内容紹介

界面の時間発展の研究

結晶の成長や動植物に現れる美しい模様の形成など,物が形を変える様子を微分方程式という数式で記述し,解析する研究を行なっています。数学の研究として,その微分方程式が解を持つかといった根源的な疑問から,形の変化の挙動や最終的に落ち着く形状など,微分方程式が持つ定性的な性質について研究を行っています。近年では数学の研究成果を現象の研究へ還元することにも力を入れており,微分方程式によるコンピューターシミュレーションやその応用などにも力を入れています。

形の変化と微分方程式

例えば天井に張り付いた水滴は周囲の水蒸気を吸収して成長します。水滴はシャボン玉に似て,大きく出っ張れば凹む,凹めば出っ張るといった成長のし方をします。私の研究ではこの水滴の形を未知関数のグラフとして表し,「周囲の水滴を吸収して成長する」ことは関数のグラフが囲む図形の体積の変化として,界面の向きや凹凸は関数の微分で記述します。これらの式と現象のモデルからグラフの移動速度や加速度などがみたす方程式を導出します。これが解けるか,解けるとしたらその解はどのような性質を持っているかを明らかにし,現象の解明に繋げていきます。

特異点の発生

ところで水滴が大きくなってくると,水滴は重力に引っ張られて形が変化し,いずれ千切れて滴り落ちます。関数が千切れてしまっては困りますが,こちらが困っていても現象はそのまま進みます。そこで界面が千切れても現象を追い続けることができる数学的な枠組みが必要になりますが,この千切れる瞬間というのはそれまでの形の変化とは大きく異なる,“滑らかでない”形の変化を見せます。この”滑らかでない”動きや形状は,本来の意味での微分方程式とは相入れないものですが,様々な観点から”微分”の意味を少し広げて,この“滑らかでない”挙動や形状を含む現象の解析を行なっています。 とくにこの“微分”の解釈の拡大が今日の様々なコンピューターシミュレーション手法を生み出しており,これらも含めた研究を行なっています。


ここで本文終了です
ここからフッターです
ページの終了です