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国立大学法人群馬大学情報学部・情報学研究科
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教員紹介

西村 淑子教授

西村 淑子
専門分野

行政法、環境法

経歴

出身地: 埼玉県
最終学歴/学位: 成城大学大学院法学研究科博士課程/博士(法学)
研究室: 10号館502
所属学会: 日本公法学会、環境法政策学会、ハンセン病市民学会他
担当科目: 行政法1・2、環境法1・2他

研究概要

行政や環境に関する法政策、裁判例を研究している。近年は、原発避難者訴訟やハンセン病政策の歴史に関心を持っている。

現在の研究テーマ

  • ハンセン病政策と補償
  • 原発避難者訴訟

代表的な研究業績

「公法上の法律関係に関する確認訴訟の動向」判例タイムズ1360巻60-67頁(2012年)
「福島原発事故における国の賠償責任」群馬大学社会情報学部研究論集23巻55-67頁(2016年)
「ハンセン病家族訴訟熊本地裁判決の概要と意義」判例時報2439号333-335頁(2020年)

専攻分野・研究内容紹介

法律学はエキサイティング

子供の頃から読書が好きで、高校時代まで多くの時間を空想の世界に浸って過ごしました。大学では文学や哲学を勉強したいと思っていましたが、なぜか法律学を学ぶことに。案の定、学部時代の私は、法律学にほとんど興味を持てませんでした。法律は杓子定規で、心がないように感じたからです。

折しも大学に入学した1990年、日本のバブル経済は崩壊し、卒業の頃には、女子学生の就職は大氷河期に突入していました。就職に希望を持てなかったこと、いまひとつ勉強に身が入らなかった法律学への心残りから、そのまま大学院に進学して勉強を続けることにしました。いま思えば、実社会に出るのが怖かったのかも知れません。

大学院の授業では、先生方から学説や経験談のほか、大教室では聞けない歴史的事件の裏話など、貴重で刺激的なお話を伺い、法的な思考方法、調査方法、法律論文の書き方についてもきめ細かいご指導を頂きました。お金もなく、勉強とアルバイトに追われていましたが、新鮮で、とても充実した毎日でした。無機質に思えた条文や判決文の背後に、生々しい現実の社会と人間の存在がひしひしと感じられ、法律学がとてもエキサイティングな学問であることに気づいたのです。

環境市民訴訟への関心

大学院の修士課程では憲法と行政法を中心に勉強していました。21世紀を目前に、国際的な環境問題に関心が高まりつつある時期であり、恩師からのアドバイスもあって、博士論文では「アメリカの環境市民訴訟」に取り組みました。環境市民訴訟は、個人の財産や健康に対する侵害がなくとも、環境の保護を目的として、誰でも訴訟を提起することができるというものです。日本では、訴訟を提起する資格(原告適格といいます)がとても狭く、このような訴訟は認められていませんが、近年、原告適格は拡大の傾向にあり、環境分野でも抗告訴訟の活用が期待されています。

2005年3月から9月まで、ハワイ大学のロースクールで研究する機会に恵まれました。環境市民訴訟の制定に大きな影響を与え、アメリカ環境法の父とも呼ばれるジョゼフ・サックス教授の講義に参加しました。ロースクールでは、様々な国籍、人種、宗教の学生が学んでいました。彼らは非常によく発言し、社会活動に参加しますが、彼らはその社会のメンバーになるために懸命に努力しているだと気づきました。

学生の皆さんへ

学生の皆さんには、行政法や環境法の授業を通じて、社会問題への関心を深め、法律や裁判を身近なものと感じてもらいたいです。授業では、学生同士、学生と教員の「対話」の機会を大切にしたいと考えています。現在、新型コロナの感染拡大によって、格差と分断、対立がさらに深まり、私たちの社会は大きく揺らいでいます。社会の分断を克服するためには、多様な他者と根気強く「対話」を重ねることが必要です。学生の皆さんの積極的な参加を期待しています。


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