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国立大学法人群馬大学情報学部・情報学研究科
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教員紹介

金 宰弘准教授

金 宰弘
専門分野

会計学・環境管理会計・CSRマネジメント

経歴

・出身地:韓国ソウル
・最終学歴・学位:神戸大学大学院経営学研究科博士課程後期課程修了・博士(経営学)
・職歴:関東学園大学経済学部講師(2017年4月~2020年3月)
    関東学園大学経済学部准教授(2020年4月~2021年3月)
    群馬大学情報学部准教授(2021年4月~現在)
    関東学園大学経済学部非常勤講師(2021年4月~現在)
・研究室:10号館
・所属学会:日本会計研究学会,日本管理会計学会,日本原価計算研究学会,日本社会関連会計学会,韓国管理会計学会
・専門分野:会計学・環境管理会計・CSRマネジメント
・担当科目:会計学1,会計学2,会計情報

研究概要

企業が環境問題や社会問題にどのように取り組んでいるのかを,「マテリアルフローコスト会計(MFCA)」,「マネジメント・コントロール・システム(MCS)」といった会計手法や会計理論を用いて研究を行っている。

研究内容

  • マネジメント・コントロール・システムの設計と運用に関する研究
  • 環境管理会計手法の継続的導入に関する研究
  • CSR企業のコンフリクト・マネジメントにおける会計手法の活用

代表的な研究業績

・金宰弘(2020)「日本企業におけるサステナビリティ・マネジメント・コントロール・システムの活用:制度的要因の影響と企業パフォーマンスへの効果」『原価計算研究』第44巻第1号,102-115頁。
・Kim, J. and Kokubu, K. (2019) “Do Sustainability Management Control Systems Mediate the Relationship between Corporate Governance and CSR Performance?: Evidence from Japan” in Kokubu, K. and Nagasaka, Y. (Eds.) Sustainability Management and Business Strategy in Asia, World Scientific Publishing Company,pp. 33-48.
・金宰弘・國部克彦(2018)「第16章 韓国におけるMFCAの展開」國部克彦・中嶌道靖編著『マテリアルフローコスト会計の理論と実践』所収,同文館出版,270-285頁。
・金宰弘(2018)「CSR経営におけるテンションの管理:マネジメント・コントロール・システムの役割を中心に」『関東学園大学経済学紀要』第44巻,1-18頁。

専攻分野・研究内容紹介

環境汚染,人権,貧困などの環境問題や社会問題に対する企業の社会的責任(CSR)がより強く求められ,CSR経営を行われている企業も増えつつあります。今日の企業はCSR経営を単に慈善的活動ではなく,競争優位を占める戦略的観点から認識しはじめています。そこで,企業がどのように環境問題や社会問題に取り組んでいるのかについて,私は「マテリアルフローコスト会計(MFCA)」,「マネジメント・コントロール・システム(MCS)」といった会計手法や会計理論を用いて研究を行っています。

【マテリアルフローコスト会計(MFCA)】

「マテリアルフローコスト会計(MFCA)」は環境管理会計手法の一つとして,工程内のマテリアル(原材料)を実際の流れに応じて投入物質ごとに物量を計算し,それに単価を乗じることでコスト計算を行う手法です。ここでは,原材料が製品の一部を構成するのか,それとも廃棄物となって廃棄されるのかについて区分が行われ,廃棄物も製品(負の製品)とみなして原価計算がなされます。MFCAはマテリアルのフローに焦点を当て,工程から生じる良品と工程上のロスの両者を,どちらも製品として認識する点に大きな特徴があります。

これまでにも企業内では廃棄物がどの程度出ているかは物量で把握されてきましたが,これがコストで評価されていませんでした。しかし,MFCAは廃棄物が実際にどのくらいの金額になっているかで評価され,これまで焦点を当てられていなかった資源のロスが浮かび上がります。そこで,経営者および原価管理者は廃棄物削減に対して,より明確なモチベーションを持つことになり,その結果,原価低減が企業にもたされ,最終的に企業利益の向上に貢献します。また,資源のロスを排除することで資源生産性が向上し,コストと環境負荷の同時削減が可能となります。MFCAから得られる情報は製品の製造方法,設計,生産計画など,様々な場面で活用され,企業の環境経営の実現を可能とします。

【サステナビリティ・マネジメント・コントロール・システム(SMCS)】

企業は事業活動に従業員の参加を促し,戦略の遂行を成功させるために,予算システム,業績評価システム,報酬システムなど,複数のコントロール手段を同時に活用しています。しかし,これらのコントロール手段は独立して機能するのではなく,他のコントロール手段と相互補完的に関係し合っているため,1つのパッケージシステムとして捉える必要があります。このように,企業が戦略を効果的かつ効率的に遂行することを目的に活用する,複数のコントロール手段に構成されるパッケージとしてのシステムを「マネジメント・コントロール・システム(MCS)」といいます。

企業はCSR活動を実行するために,経済的利益に加え,環境的・社会的利益にも貢献できるCSR戦略を策定し,CSR経営に従業員の積極的な参加を促進しながら,企業の持続可能な発展を図る必要がありますので,企業のCSR経営にもSMCS(CSR経営におけるMCS)の活用は役立ちます。先行研究では,CSR戦略を遂行するために,経営理念,行動指針,業績管理システム,リスク管理システムなど,複数のコントロール手段に構成されるSMCSを活用することが,組織能力を強化させ,さらに組織パフォーマンスを向上させることが示されています。そこで,現在,CSR戦略の遂行を成功させるSMCSの設計と運用ができる枠組みを提示することを目的に,(ⅰ)CSR戦略の遂行におけるコンフリクトを管理するためのSMCSの設計と運用,(ⅱ)主事業戦略の遂行するためのMCSに連携したSMCSの設計と運用,(ⅲ)組織間関係におけるSMCSの設計と運用といった3つの研究課題に取り組んでいます。


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