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国立大学法人群馬大学情報学部・情報学研究科
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教員紹介

岩井 淳教授

岩井 淳
専門分野

社会情報システム学、意思決定支援論

経歴

・研究室: 10号館(情報学部棟)408室
・所属学会:社会情報学会(SSI),日本情報処理学会,電子情報通信学会,日本社会学会,数理社会学会 他
・担当科目:意思決定と社会的選択,データベース 他

■ 個人ページ:http://www.si.gunma-u.ac.jp/~iwai/

研究概要

「社会の幸せに結びつく情報化」が目標、インターネット上の匿名性やストレスの問題を考えつつ、社会的な意思決定の支援方法を研究している。

研究内容

  • 匿名性保証に着目した意思決定支援システムの開発
  • 社会的選択理論の情報学的展開
  • 電子的なコミュニケーションとストレス対処

研究内容紹介

社会情報システム学

私は情報工学と社会学を背景に,主に意思決定支援システムの研究を行っています。匿名コミュニケーション,社会的選択理論,ストレス理論に関連した支援法などが中心です。一言で専門領域を言う場合は,「社会情報システム学」と説明しています。

「授業評価」の例題

一つ例を挙げて,研究内容を紹介しましょう。例えば,男子学生12名,女子学生3名の授業で,無記名アンケートの形で授業評価をしたとします。質問用紙に,a)授業の質を問う質問と,b)回答者の性別を問う質問があれば,女子学生3名の匿名性は損なわれがちでしょう。授業の質が低いと思っても正しく回答できないかもしれません。こうした事態は非常に困るのですが,この問題は,1つの質問用紙にaとbの両方の質問があったために生じたとも言えます。もし,質問用紙が2枚あり,aとbの質問がそれぞれ別に書かれていれば,全員が正しく回答しても何の心配もないでしょう。(そのような方法だと,性別による評価の違いなどは分析できなくなりますが。)

私の研究室では,このアイディアに基づく電子的なアンケートシステムを提案しています。このシステムを使ったアンケートでは,匿名性が損なわれているとシステムが判断した場合,「回答者(例えば生徒)が回答してしまった後」で,「調査者(例えば教員)が見る前」に,システムがあたかも最初から質問用紙が2つに分かれていたかのように自動集計して,調査者に結果データを届けます。このように匿名性が自動的に守られると判っていれば,回答者はより正しい回答ができるようになるでしょう。

このような匿名性の問題は,授業評価など小規模な調査でばかり起こるわけではありません。大規模な調査でも,性別,年齢,出身地など,個人の属性にかかわる回答を重ねていくことで,それらが組み合わさった小さなカテゴリができていきます。結果として,前述の授業評価と同じような問題が生じるので,匿名性やプライバシーの問題はやはり生じやすいのです。提案したアンケートシステムを応用できる場面は,様々に考えることができると思われます。

社会と情報を考える

ビッグデータが役に立つと言っても,それはデータが正しい場合です。もしデータ自体が真実を反映していなければ,基本的な問題があると言えるでしょう。上述のアンケートシステムは,社会を流れる情報の質を高める一つの有望なアプローチではないでしょうか。

以上のような話に興味をもって頂ければ幸いです。上のシステムは研究テーマの一例ですが,方向性が合うようでしたら様々な学部生の方を幅広くゼミに受け入れたいと思います。


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