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国立大学法人群馬大学情報学部・情報学研究科
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教員紹介

照屋 保教授

照屋 保
専門分野

関数解析、作用素環論

経歴

最終学歴:北海道大学大学院理学研究科,博士(理学)

研究概要

専門分野である作用素環論は量子力学を記述する数理構造をもとに 1929 年 J. von Neumann により生み出された数学です。80 年代後半から 90 年前半に盛んに研究された V. F. R. Jones の指数理論が私の主な専門です。特にC*環の指数理論のロホリン性を中心に研究をしています.研究の目的は「量子化」をキーワードに作用素環を土台に生まれ発展してきた研究対象の最前線の状況を把握し,「量子化」の次のステップを探ることです。

研究テーマ

  • C*環の指数理論のロホリン性の研究
  • 有限次元ホップ代数の作用素環への作用の研究
  • 因子環の束の研究

代表的な研究業績

  • Jonesの指数理論を因子環から有限次元の中心をもつ環への拡張。
  • 群作用のロホリン性を部分環まで拡張し、様々な特徴が部分環へ遺伝することを示した。
  • 有限次元ホップ代数のC*環への作用を詳しく調べた。

専攻分野・研究内容紹介

作用素環は量子力学を記述する数理構造をもとに 1929 年 J. von Neumann により生み出された数学で ある。量子力学は古典力学で説明できない物理現象の発見の積み重ねに始まり,「量子化」という考え方 を許容することによって問題解決の糸口を見つけた。作用素環は量子力学的な数学世界を記述するとき の基本言語と考えられる。作用素環を用いることにより,量子力学的な理解が深まり,それと並行して それらを記述するために,様々な数学が新しい研究の対象として浮上してきている。例えば,非可換積 分論として知られる富田‐竹崎理論,量子統計力学や場の量子論などの数理物理への応用,A. Connes による非可換幾何,D. V. Voiculescu による非可換確率変数の理論などがその代表例である。作用素環 自身もこれらの研究の発展とともに新たな視点を獲得しながら,少しずつ内容が充実してきている。80 年代後半から 90 年前半に盛んに研究された V. F. R. Jones の指数理論は A. Ocneanu のパラ群の研 究からもわかるように有限群の「量子化」とみなすことができる。具体的には有限群の作用が factor 上 にあるとき不動点環をとることによって Jones 指数有限の subfactor が得られる。AFD II1 上の有限群 の外部的作用の一意性が Jones によって示されており,従って一般の subfactor は「量子化」された有 限群の作用による不動点環としてみることができる。 

一方 Jones の指数理論は綿谷によって C∗-環に広げられた。C∗-環上の群作用に関しては 90 年代から岸本は単純 C∗-環上のロホリン性をもつ自己同型(= Z-作用)の解析を発展させてきた。泉は C∗-環へのロ ホリン性をもつ有限群の作用において様々な成果を上げている。これは C∗-環への有限群の作用で初め てともいえる組織的な成果である。また大坂‐小高‐照屋によって C∗-環から部分 C∗-環への条件付き 期待値のロホリン性が導入された。これは「量子化」された有限群の作用のロホリン性とみなすことが できて,綿谷指数有限の条件付き期待値がロホリン性を持つとき C∗-環の様々な性質が部分 C∗-環に遺 伝することが示されている。


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